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SHOWROOM株式会社
前田裕二代表取締役が株式会社ディー・エヌ・エー在籍中に立ち上げたSHOWROOM事業を引き継ぎ、株式会社ディー・エヌ・エーの子会社として独立。SHOWROOMを通じて世界のエンタテインメント業界を変え、機会格差をなくしたいという思いでサービスを展開している。
同社の事業の核となるライブ動画の配信は、トラフィックが多いだけでなく、アクセスの集中によりサーバーダウンというトラブルと常に背中合わせだ。トラブル回避のためにサーバー台数を増やせば、結果的にコストに跳ね返ってくる。インフラ環境の充実とコストのバランスに悩まされてきたという同社の佐々木康伸氏に話を伺った。
コストカットのためにはインフラ環境を変えるしかない
動画のライブ配信を行うSHOWROOMにとって、ライブ配信がストップすることはあってはならないこと。インフラ環境をいかに整備するかが生命線となる。
佐々木様
今まで海外クラウドサービスを利用していたのは、プラットフォームの大きさや実績からくる信頼があったからですが、使用料の高さに悩まされていました。コストを抑えるためには違うサービスを利用するしかない。でも移行にともなう失敗は許されないので判断つきかねていました。
そんな時、株式会社IDCフロンティアからIDCFクラウドの提案があった。海外クラウドサービスを利用するよりも圧倒的にコストを下げることができる。興味は持ったが一つ課題があった。IDCFクラウドにはオートスケール機能が実装されていなかったのだ。
サーバーにかかる負荷に応じて、自動的にサーバー台数を増減させてサーバーダウンを防ぐオートスケールは、SHOWROOMのような動画のライブ配信サービスを提供するうえで必須の機能といえる。常にアクセス数を予測はしているものの、トップアイドルによる特別なライブ配信ともなれば、予想を大きく上回るアクセスが集中してしまうことも珍しくない。
例えば同社が2016年10月10日に兵庫・神戸ワールド記念ホールで開催された「AKB48グループじゃんけん大会2016」の舞台裏を生配信した際には、累計20万人以上のユーザーが視聴している。どんな状況であっても常に安定した配信を保つために、オートスケール機能は外せない機能だ。
そこで株式会社IDCフロンティアは、豊富な運用実績を持つ株式会社クイックガードに委託。IDCFクラウドをベースにオートスケールを実装するという提案に至った。
佐々木様
サーバー台数によって運用コストが変動するというのが一般的ですが、台数でカウントするのではなく、先に設定しておいた上限を超えなければ、固定の月額費用というご提案もいただけた。経費面でもフレキシブだなと感じましたが、オートスケールが導入できなければこの話は進まなかったでしょうね。
重要なのは、技術面でのコミュニケーション
オートスケールを実装するために前例のないツールやサービスでの実装を行うことになったが、不安はなかったのだろうか。
佐々木様
最初に説明を聞いたときも不安は感じなかったですね。クイックガードの技術者とは、技術面の確認を行う上ですぐにコミュニケーションがとれたので問題ないと思いました。技術面でのコミュニケーションって、とても重要だと思うんです。両方がある程度同じ知識と経験を持っていないとスムーズにコミュニケーションがとれません。
これまでインフラ周りの開発は当社のエンジニアが担当していたので、外部に委託したのは初めて。だから技術面のすり合わせはさておき、依頼することには不慣れでしたが、上手にリードしていただけたと思っています。そもそも当社のエンジニアも全員が常駐しているわけではありません。そう考えれば外部に委託しているのと変わらないので、心理的なハードルは感じませんでした。
もちろん決め手は他にもある。ベースとなるIDCFクラウドの導入先に、業態の近い企業の名前があり、「この企業が導入しているなら大丈夫だ」という実績に対する安心もあったという。初回のミーティングからわずか3カ月程度でオートスケールを実装したICDFクラウドが完成。その間、対面しての打ち合わせはわずか2回と、システム実装はスムーズに進んだ。
chatbotを活用し、エンジニアの作業効率を向上
佐々木さんが今回のシステムで特に注目したのは、chatbotの活用だった。chatbotでパラメータを簡単かつ柔軟に変更することができるようになったため、エンジニアの業務効率を高めただけでなく、これまで人の手で管理していたものを自動化させ、効率的かつ人的ミスの軽減を図ることにもつなげることができた。
佐々木様
これができるなら自分たちがやっておけばよかったと思いましたが、そこまで発想が回らなかった。こういう自分たち以外の目線があるということも、外部に委託することのメリットですよね。自分たちが気づかなかったことを提案いただけるというのもありますし、もう一つの防波堤ができたのでトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
今後は、これまでエンジニアが行っていた作業領域を、より多くchatbotに移行することで、エンジニアの負担軽減を推進していくことを想定している。コストが下がっただけでなく業務の効率化も図れた。今回のクラウドサービスの移行およびオートケースの導入は大きな変化となったが、一番の課題であったコストも約1/3と抑えることができた。
動画の可能性はまだまだ広がるからこそ、インフラの強化が責務
今、世界的にみても動画業界はホットな話題に事欠かない。新しい技術が次々とトライアルされている。そして、その新しい技術から新しいサービスが生み出されていることもあり、SHOWROOMの今後の動向が注目されるのではないだろうか。
佐々木様
動画配信に次ぐ事業を生み出していかなければという思いはありますが、従来の動画=エンタテインメントという枠を超えて、ビジネス上の活用はもちろん、幅広いコミュニケーションツールとして新しいジャンルやサービスがあるのではないかと思っています。画像は動くものだということがスタンダードになって、動く画像を“動画”と呼ばない未来が来るのではないかと思うくらい動きが活発です。私たちも一手を打ってきたいのですが、そうなればサーバーにかかる負荷もどんどん増えていくので、スピードと容量との両立、環境をより整備しなければなりません。まだ稼働しはじめたばかりですが、これから改良を重ねていきたいですね。
SHOWROOM株式会社
2015年設立。プロ・アマチュアを問わず、会員登録したパフォーマーがライブ配信できる動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」の運営および番組制作等を行う。
【 SHOWROOM株式会社 】
http://showroom.co.jp/
【 SHOWROOM(ショールーム) 】
https://www.showroom-live.com/
株式会社クイックガード
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